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世界穿孔日記

飽き性な新社会人の日記です。読書・サイクリング・デジタルガジェット・カメラ・文房具などに興味があります。

艦これアニメの敗因 「夢オチ」というタブー

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※この記事には艦これアニメのネタバレが含まれます。


先日、艦これのアニメが最終回を迎えました。
最終回はオールスターズ総出で熱い展開だったと思います。

しかし、そんな展開なのに、全然感情移入できない自分がいました。

序盤は良かったのに、なぜこんなことになってしまったのか。
考察してみました。

 

艦これアニメは序盤、わりと叩かれ気味だったと記憶しています。
「二次創作の設定を取り入れすぎ」
「ストーリー展開が雑」
「シリアスとギャクの入れ替わりがちぐはぐ」
などなど、様々なことを言われていました。
が、僕自身はそんなには気になりませんでした。

艦これには100種類を越える艦娘がいます。
彼女らを数多く出すようにして、かつストーリーの整合性を取るのは至難の業です。
アニメ製作陣は、多少ストーリーを犠牲にしてでも最大公約数的提督たちの満足度を実直に追求しているように見えました。
なので、多少ストーリーにアラがあろうともそれを飲み込み、むしろ製作者側にエールを送りながら視聴していました。

 

が、そんな気持ちは10話で吹き飛びました。
そう、あの提督が吹雪を選んだ理由が明らかにされるシーンです。
提督が吹雪を選んだのは「夢で結婚した姿を見たからだ」ということが明らかになります。

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初めて見た時はもう、目が点になりました。

だって、吹雪を選んだ理由って第一話から引っ張ってる話だよ?
もはや物語の根幹と言っても過言でもない部分だよ?
それが「夢オチ」ですか???
もう、この時点でアニメへの評価はこれ以上下がりようがない所まで下がりました。

いや、言いたいことは分からないでもないんですよ?
そりゃ、キャラ萌えで旗艦を決めるなんて日常茶飯事だし、利根さんが好きすぎて奥利根湖まで旅行したこともあるし……。

でもね、何が何でも「夢オチ」はないですよ。
そもそも夢オチっていうのは創作においてやってはいけないことの一つなんです。

 

以下は『さるでも書けるマンガ教室』などで有名な編集者・ライターである竹熊健太郎氏のHP「たけくまメモ」からの引用です。

夢オチはなぜ悪いのか?(2): たけくまメモ

たぶん「夢オチ」が非難されるのは、ストーリー至上主義の見地からこれを見た場合でしょう。ストーリーの本質は論理性ですから。起承転結というくらいで、因果関係を積み重ねながら合理的に展開していくものがストーリーだとすると、夢オチは、それまでの合理的な段取りがすべて崩れてしまうわけですね。だから読者は怒るわけですよ。

これを見れば分かるように、「夢オチ」というのは積み上げてきたストーリーの流れを寸断するものです。
当然、夢に関する内容に関しては説得力を失うことになります。そりゃ、ただの夢なんだもの。

そして艦これのアニメは、「吹雪が選ばれた理由」という物語の根幹をなすものに「夢オチ」を持ってきてしまいました。
この時点で、吹雪が主人公である説得力が失われ、そんな采配をする提督に対する不信感も生まれます。

それだけならまだいいのですが、そんな無能提督に従っている長門達への不信感も募り、結果長門に従っている艦娘全員が胡散臭くなるという究極の悪循環に陥ってしまうのです。

 

このように、僕が艦これのアニメがコケたと思う理由はとにかく「夢オチを出した」の一言に尽きます。

ここまで否定ばかりしてきましたが、最後の「過去の因縁を断ち切る」展開は王道だし、良かったと思うんですよ。
でも、10話により物語自体の説得力が地に落ちたため、僕の心には全然響かなかったという話です。

今回のことは、途中まで好意的な目で見ていただけだけに結構ショックでした。
続編があるということなので、今度こそは説得力のある物語が生まれることを祈りつつ筆を置こうと思います。