世界穿孔日記

飽き性な新社会人の日記です。読書・サイクリング・デジタルガジェット・カメラ・文房具などに興味があります。

屋久島ゼロ to ゼロ:一日目

一日目:栗生→鹿ノ沢小屋

5:30
栗生の「民宿ぽんかん」にて起床。
昨日は移動日。「電車→飛行機→バス→船→バス」と乗り継ぎ、屋久島 栗生まで来ました。
度重なる乗り換えと、一昨日の雪山登山(四阿山)とで、多少の疲れを感じます。

民宿ぽんかんは、とても居心地のよい宿でした。素泊まりなのに刺し身・白米をサービスしていただけたのは、本当にありがたかったです。(刺し身の魚は他のお客さんが釣ったものらしい)
春休み期間中は学割もあるそうなので、ぜひ利用してください。
栗生に泊まるなら「民宿ぽんかん」です!(恩返しの宣伝(笑))

6:15
菓子パンを食べ、荷造りし、事前予約したタクシーに乗り込みます。
大川林道入口まで行くと、タクシー代は5000円になりました。

道中、大川(おおこ)の滝に寄り安全祈願。
f:id:y0my:20160413214049j:plain 大川の滝は、滝壺に近づけるのが特徴です。迫力満点なんでオススメですね。
逆に、千尋の滝はつまんないです(笑)
全然近づけず、遠くから眺めることしかできないだけに。

6:30
f:id:y0my:20160413214057j:plain 大川林道入り口に到着。
タクシーとはここでお別れです。いよいよ登山開始だ。

今回使用するリュックは50Lです。
こいつを使うのは2回目ですが、テント・寝袋を入れて歩くのは初めてです。
リュックの重量は15kg。未知の重量に不安しかありませんね。
ペースを下げることで、体への負担を軽減する作戦でいきます。

歩き始めると、すぐに鹿・猿に出会いました。彼らに合うと屋久島に来たと実感しますね。

f:id:y0my:20160413214059j:plain 周りを見ても、熱帯の植物?みたいな植生です。
奥多摩が森なら、ここはジャングルですね。

f:id:y0my:20160413214102j:plain しばし足を止め写真を撮り、のんびり歩いていると、あっという間に2時間経ちました。 依然として、関節や体調は好調を維持しています。
これなら大丈夫かも。少し気が楽になりました。

8:50
f:id:y0my:20160413214108j:plain 花山歩道入り口。
舗装路はこれにて終了、以後は登山道です。
それも……

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   f:id:y0my:20160413214114j:plain

「中級者向け」のな!
もしかして、思ったよりヤバい道だった?(゚∀゚)

とりあえず、近くの水場で水を汲み落ち着きましょう。
f:id:y0my:20160413214117j:plain これが水場?いえ、普通の川ですね(笑)

f:id:y0my:20160413214119j:plain 屋久島流ダイナミック給水!
友人によると、屋久島の水は綺麗すぎて魚が棲めないとか。
そのため、直接飲んでも問題ないとのことです。
実際、屋久島の水場の大半は、普通の川です。

9:20
f:id:y0my:20160413214121j:plain いよいよ、花山歩道へ。

ここからは、日本に5箇所しかない「原生自然環境保全地域」になります。
一言で言えば「昔ながらの大自然が残ってる地域」ですね。

以下は環境省のHPにあった、花山歩道に関する記述です。

環境省_自然環境保全地域各指定地域の特徴

屋久島は1,000m以上の山岳を有し、高温多雨の気候の下で、照葉樹林から亜高山帯まで植生の垂直分布をなす豊かな森林地帯を有しています。なかでも標高800~1700mの地域にはスギ林が発達し、ヤクスギと呼ばれる樹齢1,000年以上の巨木が多数残存し、世界的に貴重なものとなっています。本地域(※花山歩道のこと)は、屋久島の中で最もよく固有な林相を残しています。

f:id:y0my:20160413214123j:plain 花山歩道へ足を進めると、空気が変わりました。
なんだろう、この静謐な雰囲気は。歩みを止めると、梢が擦れる音、鳥の声が聞こえます。
周囲を見渡すと、そこには緑と茶色で構成される世界が広がっていました。

奥多摩とは、緑の色が異なります。 屋久島の緑は”深い”。いわゆる”深緑”って色です。
原生自然環境保全地域には「深緑の森」が広がっていました。

f:id:y0my:20160416005806j:plain 道中には、簡易看板とピンクの道標しかありません。
登山道は、確かに分かりにくい箇所もあります。
何回か、気づいたらミスコースしていることもありました。
そういう時は、道を正しく辿れていたところまで戻り、冷静に道標を探します。
確かに道は分かりにくいですが、冷静に対処すれば迷うほどではありません。
(※個人の感想です。実際に遭難した方もいらっしゃるので注意してください。)

f:id:y0my:20160413214127j:plain それなりに歩くと、世界遺産の範囲内に入ります。
ここは、世界遺産であり原生自然環境保全でもある場所。
ある意味、屋久島一贅沢な場所かもしれません。

f:id:y0my:20160413214129j:plain ここまで来ると、苔が強くなります。
苔にまみれた看板ですが、ズームすると
f:id:y0my:20160413214131j:plain こうなります!苔なのに立体!

また、木々もより巨大に、個性的になってきました。
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個性的でしょ?(笑)

11:30
f:id:y0my:20160413214137j:plain 森が霧がかってきました。屋久島の深緑には霧が生えます。
森の静謐な雰囲気は、「神秘的な雰囲気」にまで昇華されました。 f:id:y0my:20160413214139j:plain
こればかりは、写真を見てもらったほうが早いでしょう。

12:45
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花山広場到達。

f:id:y0my:20160413214147j:plain 美しい水場にてダイナミック水分補給。
f:id:y0my:20160413214143j:plain 汲み終わり、顔を上げると美しい空間が広がっていました。

花山広場の木々の写真です。
f:id:y0my:20160413214148j:plain そこのあなた。今、普通の森じゃんって思ったでしょ?
思ったよりヒョロヒョロじゃん、ってね。
でも違うんですよ。

写真の左下を、もう一度見てください。よく見るとリュックが見えるでしょ?
50Lのリュックと並んで、このサイズ感ですよ。
いかに巨大な木か分かってもらえると思います。

花山広場まで来ると、道中に神社の御神木レベルがゴロゴロいます。
中には、御神木が若木に見えてしまうレベルもいますよ(笑)

13:00
小休憩を経て出発。
30分ほど歩くと、木々のの密度が低くなってきました。
f:id:y0my:20160413214150j:plain だいぶ標高上がってきたのかな?
森の雰囲気も、湿度低めのカラッとしたものに変わります。

14:20
f:id:y0my:20160413214153j:plain 突然視界が開けました!
いい景色なんで、まったり休憩しました。寝転がったり、読書したり、至高の時間。

15:50
大岩をすぎると、いよいよ道が酷くなってきました。
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いよいよ勾配が大きくなり、ハシゴも出てきます。

このタイミングでの急勾配は辛い。
朝9時からずっと歩いてるからね。さすがに疲れてきた。

f:id:y0my:20160413214158j:plain 頑張って歩き続けると、止めとばかりに雪が出てきました。
3月でも雪あるのかよ……。チェーンスパイク持ってないよ……。

慎重に慎重に歩を進めます。半分溶けてる雪なので、

f:id:y0my:20160413214159j:plain ズボッと沈み込む箇所もあります。
下に大石でもあれば、最悪捻挫しますね。けっこう怖かったです。

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頑張った挑戦者にはご褒美を。
ところどころ開けるのが憎いね。

16:00
f:id:y0my:20160413214202j:plain 最後の渡りをぬけると……。
f:id:y0my:20160413214204j:plain 整備された歩道が!

人工物だ!!!

f:id:y0my:20160413214207j:plain どうやら無事、鹿の沢小屋に到着したようです。
疲れはほどほど、関節も至って好調。今日の行程は大勝利ですね。

f:id:y0my:20160413214208j:plain 休むのは屋根を確保してから。
山小屋に泊まってもよかったのですが、「あること」をしたかったのでテント泊を選びました。

設営後は、お楽しみの夕食タイム。
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今日は
牛めしアルファ米
・食パン
・味噌汁
・蜂蜜いり紅茶
です。初めて食べたアルファ米ですが、意外と美味しくて驚きました。

f:id:y0my:20160413214214j:plain 食後は、山小屋周りを散策したり、読書をしたりとでノンビリしました。
そしていよいよ日が暮れて……

f:id:y0my:20160413214216j:plain 星空が出てきました!
もちろん、周囲には灯り一つありません。
そこには、今にも降ってきそうな、一面の星が。

今日、あえて山小屋泊を避けた理由、それは……

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この写真を撮りたかったからです!
荷物でカメラの傾きを調整し、ISO3200・露出30秒で撮影しました。

最高の写真です。それ以上の言葉は野暮ってもんです。

20:00
就寝。
初めての山中テント泊ですが、不安よりも楽しさの方が上でした。
明日は永田岳と宮之浦岳。コース距離は10km切ってるし、余裕でしょう。
縦走初日は、最高の気分で眠りに就くことができました。